ドクターエガワが語る脊柱側弯(そくわん)症:脊柱神経学のバイタリスティック観点

あなたのセボネは、大丈夫?

脊柱とは解剖学用語で、一般的には「せぼね」と呼ばれています。これは24個の骨と椎間板が柱のように1つのユニットとして体の大黒柱の役割を持つ、非常に重要な器官です。

「側弯症」とは、整形外科的観点から撮影したレントゲンで背骨の正面画像を見たとき、S字に歪んで見える背骨に対して付ける診断名です。病理学で「症」がつく診断名のほとんどが原因不明であるように、この疾患の約80%のものが原因不明、つまり「突発性」とされています。その他この正面画像を元に診断する、S字形状に見える「歪んだセボネ」の中でも、原因のわかっているとされるものに、遺伝的原因による背骨の奇形から起こる先天性のもの、骨折、くる病などによる骨の形状の変化によるもの、中枢神経や胸部等の疾患によるもの、椎間板ヘルニア等の疾患による痛みのために起こっているのでは?と考えられているものがあります。

突発性側弯症のほとんどは、成長期にさしかかる10代前後に学校の身体検査や身体測定の際に発見され、病院での画像検査をもとに診断されるケースが多いようです。症例的には女の子に多く見られるようです。整形外科では、曲弯している角度をレントゲンによる正面画像上計測し、その重篤度を決めますが、これをコブ角と言います。

コブ角が25度以上だと、アンダーアーム、ボストン、スパインコアまたはミルウォーキー・ブレース等を用いた装具療法を勧められます。50度以上の場合、スクリュー(ネジ)とロッド(ハリガネ)を埋め込むという手術を「できるだけ早く!」といわれるようです。体の成長のスピードが早い関係上、歪みが悪化する可能性が非常に高いとされ、上記の治療をほぼ例外なく強要されるようです。

「コルセット?手術?そんなこと、とんでもない!」

ところが、上記の治療法は画像上のコブ角の数値の増加イコール「危険」と見なし、歪みがこれ以上ひどくなるのを外部的に抑えようとするか、機械的に金具で真っ直ぐにしようと考えているだけで、ブレースの着用を余儀なくされたお子さんの不便さ不快感、脊柱という精巧かつデリケートながらも強靭さを兼ね備えた、「神経=神の通り道」を守る大切な器官を人間が「イジる」ことのリスクの高さなどはほぼ、「別の話」のようです。

近代医療でも様々な疾患のほとんどが、原因不明であることをご存知ですか?しかしこの世の中全てに原因・結果があるはずです。そうだとすれば、上記の突発性側弯症の原因となるものも必ずあるはずです。

脊柱神経学では、まず上記の治療法のいずれもお勧めはしません。

そして、あなたのお子さんの背骨が「側弯」しているという考え方・見方はしません。

上記にも述べたとおり、脊柱は重力を利用し5Kgほどある重い頭を空中に浮かべることができる、ものすごい器官なのです。それは立体構造で、モノサシを使って直線で測ることは、ほぼ不可能です。

セボネは神経:「神様の通り道」

本来、脊椎は前または後ろ正面から見たとき、真っすぐであること、そして横から見たとき4つの緩やかなカーブが保たれていることがとても重要とされています。なぜなら、カラダにとって最も大切なメインコンピューターであり生命エネルギーのバッテリーである脳が、情報やエネルギーを全身に伝えるケーブルである脊髄と神経が背骨の中を通っているからです。つまり、背骨のカタチとスムーズな動き、そしてバランスが、保たれていないと、脳はカラダの状態を正確に認識できないばかりか、生命エネルギーの甚大なロス(過剰浪費)になってしまうのです。

側弯症とみなされる歪みがあっても、日常生活や運動するには何の支障もないといわれています。しかしながら、実際は疲れ易く、頭痛、肩こりや腰痛、または、心肺器官・消化器官・内分泌器官に関連する様々な病気になりやすいという症例もたくさん報告されているのも事実です。

脊柱神経学のバイタリステック的観点とアプローチ

「長方形や球体のような、平でスムーズな表面をもつ物体は、自然界には存在しない。」―ブノワ・メンデルブロ

フラクタル幾何学で有名な数学者、メンデルブロ博士のいう通り、自然界は直線や平面では推し量ることは決してできません。

つまり、立体構造の背骨を二次元で映し出したレントゲンを使って歪んだされる背骨をコブ角なる直線で測るというのは、科学的には実はとてもナンセンスといえます。(歪みが悪化したか?改善したか?という大体の目安にはなりますが…。)特になぜ生命の智慧を持つ体が、そのような形状に変化し成長するのかは、線では測れません。

脊柱神経学では、背骨を医学の教科書上「正常」とされるカタチに無理やり戻そうとすることが「賢明である」とは思いません。なぜなら、背骨が螺旋形状になっている(側弯症と診断された)理由は、成長過程でその子に宿る「自然のチカラ」が特定の状況に適応するため選択したからであると考えるからです。

また、側弯症になる子のお母さんが、都市型生活習慣や感情的・精神的ストレスによるVSC(サブラクセーション)を知らず知らずのうちに起こしていて、母体の自然エネルギーが著しく低下していることが、赤ちゃんの脳・神経システムそして背骨の成長大きく影響していることが、大きな原因の1つであることが、長年の研究結果でわかっています。ですから、歪んでしまったから「病気」と捉えるより、サブラクセーションなどの「背骨を通る神経の流れが干渉または妨害されてしまったため、その状況に適応するために、螺旋形状を取ることでうまく体を安定させ、補正することを脳が選択した。」とも考えたほうが、より自然だといえます。

脊柱神経学では、本来「側弯症」は禁忌ではない

現在、カイロプラクティックが最も得意とする疾患・病状を厚労省では禁忌としています。脊柱側彎症もその中の1つで、そのことの発端が、平成2年に出されたほんの8ページの「三浦レポート」と呼ばれた報告書で、その結論が「危険である」とコメントしたことを厚労省が認めたことが、「脊柱側弯症には禁忌である」とされた理由の1つです。国内での自称カイロプラクターたちが行っていた医療擬似行為、意識の低い何か「怪しい」整体・カイロ(?)が蔓延っているのも問題で、その中で危険を伴うやり方も非常に多く、リスクが非常に高いことは否定できません。しかし、それは世界が認める脊柱神経学とは全く違います。

自然で優しい:ありのままの自分を大切にする脊柱神経学:カイロプラクティック

ここゲゼンハイトでは、レントゲン検査をはじめ、患者からのインフォームド・コンセントなどを、事前にしっかり行い、安全かつ正確にアプローチしていくだけでなく、バイタリティー溢れるライフスタイルを送るため、生涯に渡ってサポートしていきます。

ニュージーランドの研究調査では、本物のカイロプラクティック(脊柱神経学)は、「背骨のアラインメント(理想位置)と連動性を改善していくことで、脳をリセットし、健康回復と維持を促す治療法として、極めて安全ある。」と結論づけています。

定期的アジャストメントを継続し、数年後に撮影されたスピノグラフ(脊柱全体を投影したレントゲン画像)を分析した結果、生理機能の改善や、計測数値の変化(コブ角の減少)が確認出たケースも数多くあります。

側弯症と診断され、そのことを真剣に悩んでいる子供達や親御さんたちが、脊柱神経学のより自然なアプローチを通し、ポジティブなセルフイメージを取り戻し、そしてバイタリステックな生活を送れるように、生涯関わっていく姿勢が大切だと考えています。

偉大な発明家、トーマス・エジソンはこう言い残しています。「未来のドクターは、投薬や手術などの手段を使わずに、患者の骨格構造に注目し、栄養や運動についての的確な指導をし、病気の原因解明と予防に注意を払うようになるだろう」と。

参考文献

  1. Cobb JR. Outline for the study for scoliosis. American Academy of Orthopedic Surgeons Lectures 1948;5:261-275.
  2. Kane WJ. Scoliosis prevalence: A call for a statement of terms. Clin Orthop 1977;126:43-6.
  3. Mehta MH. The conservative management of juvenile idiopathic scoliosis. Acta Orthp Belg 1992;43-6.
  4. Goldstein LA, Waugh TR. Classification and terminology of scoliosis. Clin Orthop 1973;93-10-22.
  5. McAlister WH, Shakleford GD. Classification of spinal curvatures. Radiol Clin North A 1975;13(1):93-112.
  6. Terminology Committee of the Scoliosis Research Society. A glossary of terms. Spine 1976;1:57-58.
  7. King HA, Moe JH, Bradford DS, Winter RB. The selection of fusion levels in thoracic idiopathic scoliosis. J Bone.
  8. Cummings RJ, Loveless EA, Campbell J, Samelson S, Mazur JM. Interobserver reliability and intraobserver reproducibility of the system of King et al. for the classification of adolescent idiopathic scoliosis. J Bone Joint Surg Am. 1983 Dec;65(9):1302-13.
  9. Lenke LG, Betz PR, Bridwell KH, Clements DH, Harms J, Lowe TG, Shufflebarger HL. Intraobserver reliability of the classification of thoracic adolescent idiopathic scoliosis. J Bone Joint Surg [am] 1998;80(8):1097-106.
  10. Hannes B, Karlmeinrad G, Michael O, Martin K. Multisurgeon assessment of coronal pattern classification systems of adolescent idiopathic scoliosis: reliability and error analysis. Spine 2002;27(7):762-7.
  11. Carpinetta L, Labelle H. Evidence of three-dimensional variability in scoliotic curves. Clin Orthop Rel Res 2003; 412:139-148.
  12. Dickson RA. The etiology and pathogenesis of idiopathic scoliosis. Acta Orthp Belg. 1992;58 Suppl 1:21-5.
  13. Coonrad RW, Murrell GA, Motley G, Lytle E, Hey LA. A logical coronal pattern classification of 2,000 consecutive idiopathic scoliosis cases based on the scoliosis research society-defined apical vertebra. Spine 1998;23(12):1380-91.
  14. Leke LG, Betz PR, Clements D, Merola A, Haher T. Lowe T, Newton P, Bridwell KH, Blanke K. Curve prevalence of a new classification of operative adolescent idiopathic scoliosis: does classification correlate with treatment? Spine 2002;27(6):604-11/
  15. Ogon M, Geisinger K, Behensky H, Wimmer C, Nogler, Bach CM Krismer M. Interobserver and intraobserver reliability of Lenke’s new scoliosis classification system. Spine 2002;27(8):858-62.
  16. Harrison DE, Betz JW, Harrison DD, Haas JW, Oakley, PA, Meyer DW. CBPâ Structural Rehabilitation of the Lumbar Spine. Harrison Chiropractic Biophysics Seminar, Inc., 2007.
  17. Bridwell KH. Adult Idiopathic and Degenerative Scoliosis. OKU-Spine 1st 1997; 161-172.
  18. Perennou D, Marcell C, Herisson C, Simon L. Adult lumbar scoliosis. Epidermiologic aspects in a low back pain population. Spine. 1994 Jan 15;19(2):123-8.
  19. Robin GC, Span Y, Steinburg R, et al. Scoliosis in the elderly: A follow-up study. Spine 1982;7:355.
  20. Weinstein SL. Natural History. Spine 1999;24:2592-600.
  21. Papaioannou T, Stokes I, Kenwright J. Soliosis associated with limb-length inequality. J Bone Joint Surg Br. 1983 Nov;65(5):584-7.
  22. Gibson PH, Papaioannou T. Kenwright J. The influence on the spine of leg length discrepancy after femoral fracture. J Bone Joint Surg Br. 1983 Nov;65(5):584-7.
  23. Harrison DE, Cailliet T, Harrison DD, Janik TJ, Troyanovih Sj, Coleman RR. Lumber Coupling During Lateral Translations of the Thoracic Cage Relative to a Fixed Pelvis. Clin Biomech 1999;14(10):74-709.
  24. Harrison DE, Betz JW, Cailliet R, Harrison DD, Haas JW, Janik TJ. Production of Radiographic Pseudo-scoliosis from Lateral Thracic Translation Posture (Trunk List). Archives Physical Medicine Rhabil 2006;87(1):117-22.
  25. Pritchett JW, Bortel DT. Degenerative symptomatic lumbar scoliosis. Spine 1993;18(6):700-703.
  26. Weinstein SL, Dolan LA, Spratt KF, Peterson KK, Ponseti IV. Health and function of patients with untreated scoliosis: a 50-year natural history study. JAMA 2003 Feb 5;289(5):559-567.
  27. Bigelow HJ. Orthopedic Surgery. Boylston Prize Essay for 1844, Boston, 1845, p.168.
  28. White A, Panjab M: Clinical Biomechanics of the Spine Second Edition, J. B. Lippncot and co., 1990.
  29. Lesmoir-Gordon N, Rood W, Edney R. Introducing Fractals: A Graphic Guide. Icon Books Ltd, 2013.